仕事のこと

地味で地道で理解されにくいメンテナンスの仕事。

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歯のメンテナンス

食べていたキャラメルに奥歯の詰めものがくっついてきて、歯に穴ぼこがあいてしまったのが1ヵ月ほど前。数年ぶりの歯医者さんに行き、それ以来、週1ペースで歯科通いをしています。詰めものがとれるときはだいたい虫歯なんだそうですね。キュイーンキュイーンと削られて、型を取って、詰めものをしてもらいました。治したかった歯は3回の通院で治療が終わりましたが、それでオシマイにならないのが歯医者さん…ということは経験で知っています。「こっちの歯も、あ、こっちもあやしいなぁ…」と虫歯が見つかり、今3本目の治療中です。

という前振りの後、かなり強引な見出しですが……はい。

歯科治療とWebサイト運営の共通点。

テレビでやっていた歯医者さんの話に見入ってしまいました。

さて、めずらしく子どもを寝かしつけながらうたた寝をしないでリビングに戻って来られた昨晩のこと。テレビをつけると歯医者さんでの治療シーンが映っていました。なんの気なしにぼんやりと見はじめたのですが、話がおもしろくて気がつくと見入っていました。途中で番組が『カンブリア宮殿』だと気がつきました。取り上げられていたのは『日吉歯科診療所』という歯科医院でした。一般的な削ってかぶせる歯科治療ではなく、メンテナンスによる予防治療に力を入れているそうです。

予防治療の大切さは、高齢化による課題が顕在化したいまでこそ一般的に理解されつつありますが、日吉歯科診療所がメンテナンス治療に舵を切ったのは30年程前。今日までの過程では患者からの苦情、経営危機など幾多の困難があったそうです(この話は番組をご覧ください)。それでも信念を曲げず、メンテナンスによる予防の重要性を説き続け、今では予防治療のメソッドは日吉歯科診療所がある山形県酒田市のみならず全国へと波及しつつあるといいます。

今日のブログで言いたいことは、「何回も治療に通うくらいなら、ちゃんとメンテナンスしておけば良かったなぁ」という後悔……ではありません。「次からはちゃんと予防に努めて自分の歯を残そう!」という決意表明でもありません。

わたしの仕事の話です。

そういえば、毎日ひたすらメンテナンスばかりしています。

よく「いま、どんな仕事をしているの?」と聞かれます。即答できずに一瞬、間ができると「Web?ホームページ?」と助け船を出してくれます。確かに、Webでありホームページに関わる仕事が多いのですが、自分の口ではそう言いたくないもやもやがあります。

実際に、昨日、今日何をしていたのかと言えば、お客様のWebサイトのメンテナンスです。お客様が運営しているいくつかのホームページに対して、新しいページをつくったり、情報を更新したり、これから発信していく情報を考えたりしていました。同時に新しいサイトの制作も進んでいますが、そちらは協力会社さんにお任せして、私はとにかくメンテナンスに明け暮れています。

誰にでもできるけどやりたがらないことが大事だってこと。

専門職の本人さえも軽視するメンテナンスの仕事。

Webサイトのメンテナンスは、新しくサイトを構築するような高いスキルを必要としません。ムリヤリ、先の歯医者さんの話とこじつけると、歯のメンテナンスをする歯科衛生士に歯科医師ほどのスキルは必要ないのと似ているかも知れません。

でも、歯科衛生士の存在がとても重要であることは日吉歯科診療所が証明しています(歯科医師11名(非常勤2名を含む)に対して、歯科衛生士20名いるそうです ※日吉歯科診療所のWebサイトより)。

そんな日吉歯科診療所の歯科衛生士さんたちも、当初はメンテナンスの仕事がイヤで仕方がなかった、と言っていました。それで辞めていった人もたくさんいたそうです。歯科衛生士なのに歯をきれいにする仕事がイヤってどういうこと?と不思議でしたが、どうやら歯科衛生士さんって治療をする歯科医師のサポートをしたり事務仕事や受付けをするのが一般的なのだそうです。いかにメンテナンスが軽視されているかということがわかります。

Webサイト制作においても、新規作成やリニューアルにはやりがいを感じても、メンテナンス作業が注目を浴びることめったにありません。

患者(クライアント)にも必要性を理解されにくいメンテナンス。

歯医者なら治療する側、Web制作なら制作する側。そうした専門知識を持っている側の人でさえもメンテナンスへの意識が薄いのですから、患者やクライアント側の理解は言うに及ばずです。ただ、「最近、歯みがきがいい加減だったな…」とか「歯石が気になってはいたんだよな」などと虫歯になってから反省したり、「情報が古いから問い合わせがないのも仕方ないよね」とか「サイトの製品情報が古いからお客様からクレームがある」などと問題点にうっすら気がついていたりします。

それでも動かないのは、「治療によって痛みがなくなる」あるいは「ホームページの見た目が刷新される」などの実感が得られにくいからでしょうか。

本質を思い出せばメンテナンスの重要性は明らかです。

虫歯は治せばいいのですが、そもそも虫歯にならないのが一番いいはずです。ホームページも「新しいサイトができた!」という自己満足ではなく、それを活用してビジネスに役立てることが目的だったはずです。その原点に戻ることができればメンテナンスの重要性に気がつくはずです。むしろ、メンテナンスこそが必要なことだと理解できるはずです

つくりっぱなしのホームページが成果を出し続けることはありません。地味で地道で理解されにくいメンテナンスの仕事ですが、その取り組みが利益を生み出すためには欠かせません。Webを活用し切れていないとお悩みの方は、ぜひメンテナンスに目を向けて自社のWebサイト運営を検証してみることをおすすめします。

 

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